寺報 第1号

本文抜粋

【春季永代経】
5月14日、法妙寺本堂にて春季永代経を勤めました。時間短縮や弁当配布など新型コロナウイルス感染症対策を講じ、3年ぶりに皆さまをお招きできたこと、大変嬉しく思います。
永代経とは、私たちに先立って人生を歩み終えていかれた大切な方がいることを思い、そのご縁で自分自身が仏法に触れる機会を持ち、またそれが永く引き継がれていくよう勤める法要です。
お勤めをしながら、「子どもの頃、今は亡きおばあちゃんと一緒にお勤めしたな」「前回の永代経ではハイハイしていた息子が、元気に走り回るようになったな」などと思っていると、自身が大きな時間の流れに抱かれているような感覚になります。これからも、永くお勤めしていきたいものです。
読経のあとは、演奏家の方による特別コンサートがありました。いつでもどこでも簡単に音楽を聴ける現代において、本堂のような非日常的な空間で、奏者と同じ目線で、会話を楽しみながら音楽に触れるというのは、とても特別な音楽体験でした。
仏説阿弥陀経には「譬如百千種楽 聞是音者 皆自然生 念仏念法念僧之心」(極楽ではそよ風が美しく音楽を奏で、これを聴く者は皆、自然と念仏・念法・念僧の心が生まれる)という言葉があります。この教えが説かれたのは2500年ほど昔ですが、当時の人々も音楽を聴くと安らかな心持ちになり、極楽を思い浮かべていたのでしょう。